編集長 遠藤隆也


どなたが名付けたのか、ゴールデンウィーク。今年の場合5月1、2日を休むと実に九日間に及ぶ長期休暇となり、まさにゴールデンな日々となる。
しかし、ここで少しの間考え倦む。それは、一部上場企業の正規社員におなりあそばシ(せ)ている方々にとっての話であって、田舎じゃ、カレンダー通 りっツンが普通だんべやねェ。
つまり、5月3、4、5、6、7日の、五日間。
我が編集室の場合は3日が雑誌配達と重なるため、更に一日少ない。三十年近く毎月雑誌をつくり続けてきているが、毎年、まァ似たような感じだ。
従って四日間の、ゴールデンならぬ“銅”週間、といったところだろうか。
さて、銅週間の前後は、さまざまな行事が目白押し、という具合になる。毎月のスケジュールガイド誌を長年続けてきているので、なるほどと納得する。要するに、各種イヴェントは、意識的にこの銅週間を避けているキライがあるのだ。
上州には日本の国蝶にもなっているオオムラサキ蝶の、保全、保護、育成を手掛けている『群馬国蝶オオムラサキの会』(代表=阿部勝次さん)というグループが活動しているが、春の恒例行事、旧大間々町塩沢地区に整備されている「ぞおっき山オオムラサキの森」での“春のつどい”も、行われたのは去る4月16日の日曜日だった。
同つどいでのハイライトは山菜摘みを兼ねた里山ハイキングなので、運動不足気味なのを多少なりとも解消するため、という大義名分のもと、都合がつく限り、参加してきた。
しかし本当の目的は山菜である。これを皆でワイワイ言い合いつつ摘んできたのを、阿部会長の奥様である蝶子夫人が素早く天ぷらにしてくれるのだ。それに、特製のカレーに、お赤飯のオニギリ、更にはとれたて地野菜がタップリ入った絶妙な味のイモ煮汁が加わる。
B級料理人を自負する自身としては食べるばかりでは悪いと思い、せめてイモ煮汁づくりでも手伝おうと思ったのだが、手が出せなかった。
サトイモにニンジン、ジャガイモ、ウドに各種の山菜、これらを沢の水を引いてきた巨大なバケットにて洗い、皮をむき、適当に切って鍋にぶち込み、マキストーブの上にデンと据える。火燃しはもっぱら子どもの役目だ。
やがてグラグラと煮えてくる。豆腐を手でちぎって入れ、味噌をお玉にすくって入れ、一升びんから酒をドバドバッと注ぎ、しょう油を同じくドバドバッと入れる。大さじ何杯とかは全くここでは意味がない。ドバドバッという音と見た目で調整するのだ。
これで見事絶妙な味になるのだから、驚く他はない。長年の主婦のカンと、長年のイヴェントでの食事づくりでの経験が生みだした、神ワザ、といったところだろうか。
こちらのほうは正真正銘の“ゴールデン・アーム”である。
同つどいの次の土・日が、ハーレーというバイク愛好者たちのミーティングが元金山自然公園フィールドアスレチックで開かれた。更に、日曜には「足尾に緑を育てる会」(代表=神山英昭さん)による“春の植樹デー”があり、土曜日はミーティングへ、日曜は足尾で木を植えてこよう、とのスケジュールを組み、準備をしていた。
ところが、である。木曜の夜になると、なんとなく寒く、頭がボウッとしてきた。金曜日、39度の発熱。どうやら風邪を引いてしまったらしい。一ヶ月前には下血をしていたこともあり、パートナーは「これはガンだ」と決めつけてしまった。
すぐに病院へ行き、入院しなければ手遅れになってしまう、と言う。
この件に関してはいずれ“下血物語”でも書こうと思っているが、以上な訳であった。そして、銅週間を挟んだ今月の5月21日には渡良瀬遊水池の自然観察会、同28日には「わたらせ未来基金」による足尾での植樹会、来月には「森びとプロジェクト」による、同じく足尾での植樹会――。
このように、銅週間を挟んでのイヴェントは、どういう訳か、目白押しなのである。

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